君と過ごした嘘つき時間
ドスッと、私の右隣の席に座った彼…。


「天宮君…。気持ちは分かるけど
自分の席についてもらえるかしら?」

「あ"?
俺がどこに座ろうが俺の勝手だろ?

高校は義務教育じゃねーんだよ。
自由にさせろよ、クズ教師」


怖い・・・。


私が知ってる彼とは正反対。

だって、まず。
あの時の彼は…誰にでも優しくて
笑顔が素敵で…、こんなに荒くなかった。

それに、自分の事は“僕”って言ってたけど
今の彼は“俺”になってるし。


まさかの高校デビュー!?



両手をズボンのポケットに突っ込んで
両足を机の上に乗せている。

いい具合に着崩された制服は
とっても似合っていて…。



やっぱり、私
こんな風になっても、彼が好きだ。



だって、性格は変わっても
完璧な要素も、綺麗な顔立ちも
カッコイイ王子様のままなんだもん。



同じ高校で同じクラス…

これはきっと神様が与えてくれた

私達の“運命”なのかもしれない。
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