君と過ごした嘘つき時間
「チッ。大体さー…
誰お前。視界に入ってくんなクズが」
ゔっ…。
これはダメージ大きいかも。
「私は紫野原琴波。あなたの隣の席。
視界に入ってくんなと言われましても
同じ学校同じクラス、隣の席だから
どんなに嫌でも視界に入ってしまいます。」
そこは素直に答えた私。
内心すごく焦ってるし、動揺してる。
でも・・・
「私、高校入って…毎日会っていた貴方に
もう会えないと思って、少し寂しかった。」
「・・・毎日会ってた?」
なんだか、理解出来てなくて
眉間にシワを寄せていた天宮君…。
「でもまたこうやって逢えた。
天宮君と同じ学校なんて…
それに同じクラスで隣の席なんて
信じられないくらいの偶然なの!
だから、私…天宮君と仲良くなりたい。
私と、友達になってください!」
これが、今の私の精一杯の気持ち。
目を瞑って右手を差し出した。
でも、きっと振り払われる
ううん、逆に怒っちゃうかも。
そんなの、分かってたのに…
目を開けたら
そこに天宮君はいなかった。