君と過ごした嘘つき時間



「おいおーい、何お前。
女の子にそんな事言うなんて
器のちっちぇー男だな(笑)」


私の左に座る男子が、
フンッと鼻で笑った瞬間…

男子の左にいた天宮君が
男子の腕を引っ張り
そのまま、地面に打ち付けた。



「なんだと、貴様…。

器がちっせーのは、どっちだよ!」


─────バンッ、グギッ


「ぅわぁΣ」

男子の、骨が軋む音がした。


「やめて!」

私は勢い良く車から飛び出したものの
すぐに、別の男子に腕を掴まれ
身動きできなくなってしまった。


「一人の女子高生を大人数で襲ってさー。
馬鹿じゃねえの?

どーせお前らろくに学校も行ってねえで
不登校だろ?いや、むしろ中退か(笑)

とにかくさー、てめーらクズの方が
器とゆーもんがちっせーんだよ!」



今までに聞いたことも、ないような
とても低くドスのきいた声で言い放った。

「てめー、いい加減に…」


他の何人かの男子も天宮君に殴りかかるが
全て逆効果みたいで、
男子の方が天宮君にやられてる。


私は彼が男子達の目を引きつけている間に
私を掴む後ろにいる人の手の力が
緩んだのを確認して
勢い良く振り払って逃げた。
< 87 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop