君と過ごした嘘つき時間
「おいおーい、何お前。
女の子にそんな事言うなんて
器のちっちぇー男だな(笑)」
私の左に座る男子が、
フンッと鼻で笑った瞬間…
男子の左にいた天宮君が
男子の腕を引っ張り
そのまま、地面に打ち付けた。
「なんだと、貴様…。
器がちっせーのは、どっちだよ!」
─────バンッ、グギッ
「ぅわぁΣ」
男子の、骨が軋む音がした。
「やめて!」
私は勢い良く車から飛び出したものの
すぐに、別の男子に腕を掴まれ
身動きできなくなってしまった。
「一人の女子高生を大人数で襲ってさー。
馬鹿じゃねえの?
どーせお前らろくに学校も行ってねえで
不登校だろ?いや、むしろ中退か(笑)
とにかくさー、てめーらクズの方が
器とゆーもんがちっせーんだよ!」
今までに聞いたことも、ないような
とても低くドスのきいた声で言い放った。
「てめー、いい加減に…」
他の何人かの男子も天宮君に殴りかかるが
全て逆効果みたいで、
男子の方が天宮君にやられてる。
私は彼が男子達の目を引きつけている間に
私を掴む後ろにいる人の手の力が
緩んだのを確認して
勢い良く振り払って逃げた。