君と過ごした嘘つき時間
「ぁ!こら待て!」
追いかけて来るぅ〜~~!
私は、死ぬ気で走るが
馬鹿な事に川の方に来てしまって
川と男子と挟まれてしまった。
あ〜、私のバカバカバカバカ!
どーして、こっちに走ってしまったのよ!
これじゃ、逃げ道ないじゃん!
「俺だけでも…俺だけでも君を…」
段々手が伸びてきて
私の頬に触れそうになった瞬間
「抜け駆けして…
少しは仲間の心配しろや雑魚が!」
「ぐぁっΣ」
男子は必死に抵抗してるけど
天宮君の方が力が強くて
どんどん男子の表情が険しくなっていった。
私はそれを、見ることしか出来なくて…。
そしたら、地味に伸びてきた
男の手が私の足を掴んで…。
「きゃっ!」
そのまま私は、後ろにバランスを崩した。
駄目だ…川に落ちる!
最後に見えたのは
焦った表情をして
私の元に駆け寄る天宮君の姿。
しかし…
─────バッシャーン