君と過ごした嘘つき時間
川に落ちた、あのバカ女。
俺は自分でもビックリするほど
意外にも焦った。
なんで、無関係な
あんな女を心配してんだ…?
ふと、そう思った時には
体が勝手に動いていて…
自分も川に飛び込んでいた。
水中で目を凝らす。
川に入ったのなんて久々だぜ。
だからか、視界がぼやけてよく見えない。
いた。
─────ザブッ…
俺はバカ女を抱き抱えると
川から顔だけを出し息をした。
「おい!大丈夫か?」
問い掛けても返事がない。
そのまま陸地に上げた。
「おい、起きろ」
頬を軽く叩いても反応がない。