ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
なんとかして教室の前まで行くが、さらに女子が増えて入れない。
あーもうこれどうすんだよ。
手には誰からもらったかさえ分からない箱とか袋が大量にあるし、両腕には知らない女子がくっついてるし。
早く教室入りたい……
そう思いながらも顔に"王子様スマイル"を貼り付けて、女子に対応する。
ふと、隣の教室の方に目をやると、"残念な姫"と雅紀の彼女が歩いてくる。
「!」
俺に気付いたのか、目を大きく開く姫。
だが、すぐにふいっと顔をそらす。
ほんっとに可愛くねえ。
なんだよその態度。
なんで俺様にだけそんな態度とるわけ?
なんでお前だけ落ちないんだよ…!
「潤様〜♡」
「潤くん♡」
「潤〜♡」
あーもううるせえ!!
そうは思ってもんなこと言えねえから、ニコニコ笑うだけ。
ただ、頭の中ではどうやったらあの"残念な姫"が落ちるか考えていた。