ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
屋上での、出来事。
「姫、昨日は面白いもの聞かせてもらったよ」
背の低い姫の耳元までかがんでそう呟く。
もちろん周りの女子からはもの凄い悲鳴が聞こえ。
「なっ…!?」
目の前の姫も目を大きく開いて俺を見ている。
やべ。超気持ちいい(笑)
さっき感じたイライラした気持ちがどこかへ吹き飛んで行った。
「昼休み、屋上に来てね?…来ないと昨日のこと、言っちゃうかも…?」
もう一度耳元で呟くと、俺は姫の横を通り過ぎて教室に向かった。
後ろの方で、
「ちょ、千佳!?」
という雅紀の彼女の声が聞こえた。
チラッと後ろを見ると、今にも倒れそうな姫。
その姿を見てクスッと笑い、また前を向いて歩き出した。