ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
今までの女は、みんな自分から話をしてくるし、俺はそれに適当に答えるだけだったから、何話したらいいのかまったく分からない。
「……」
「……」
あーもう!!!!
なんか喋れよ原田千佳!!!!
「……あの」
「っ!?」
「…その、えっと………」
突然話しかけられ戸惑う。
姫はお箸をおいて、下を向いたり髪を耳にかけたりして落ち着きがない。
「どうしたの?」
俺がそう聞くと、姫はビクッと肩を揺らして俺の顔を見た。
「……昨日、聞いてないって言ってたのに……」
昨日?
…ああ、屋上で叫んでたやつのこと?
確かに聞いてないって言ってた。
「あの、絶対他の人には言わないでください……」
暑いのか、恥ずかしいのか、顔を赤くする姫。
ま、おそらく前者だろう。
と思うが、後者であったらいいのに。
なんて思う俺はおかしい。