ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
それから一週間。
「お待たせ、姫」
「…どうして毎日こんなに遅いんですか?」
だいぶ会話らしいものをするようになったが、未だに姫の敬語は抜けない。
笑った顔も見たことないし、なんか本当に一緒にメシ食ってるだけって感じ。
なんとかして笑わせたい……
って、なんで俺がこんなこと……
「購買寄ってるんだ、ごめんね?」
「…毎日、ですか?」
「うん、まあ」
一人暮らししてるから、弁当なんか作ってもらえねーし、自分で作るのもめんどくさい。
第一、俺にできるのはお湯を沸かしてカップラーメンに注ぐことだけだからな。
「へー…。栄養偏りそうですね」
姫はそう言って、お弁当の玉子焼きをつまむ。
いつも綺麗な形をしているそれは、すごい美味そう。
冷食なんて入ってないであろう彼女の弁当は、しっかり栄養バランスを考えて作られているんだろうか。
…そうだ、いいこと思いついた。