ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話







「姫、お願い事言ってもいい?」





俺がそう言うと、姫は珍しく俺の顔を見てきた。
いつもは、話しかけてもお弁当を見てるか下を向いてるかのどっちかなのに。





「…なんですか」


「俺に、お弁当作ってきてくれない?」


「…嫌です」





うん、言うと思った。
分かってる。
でも、こんなとこで折れる俺じゃねーぞ!!





「あ、もしかして、料理苦手?」


「いえ、料理は得意です。」





毎朝お弁当作ってますから、と言う姫。





「じゃあ…」


「嫌です」





俺様にそんなこと言っていいと思ってんの、こいつ。





「じゃあ、屋上で聞いたこと、……言ってもいい?」





いつの間にか自分のお弁当を見ていた姫が、慌てて俺の方を向く。
マジで扱いやすい。










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