ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
俺の言葉に、頬を赤く染める恵美。
駅ビルじゃなかったら、間違いなく抱き締めてキスしてる。
「じゃ、これ買ってくるね!」
嬉しそうにそう言って、レジに行ってしまった。
俺は店の中に一人でいるのもキツイので、店の外で待ってることに。
女子の買い物に付き合うとか、何気に初めてかも……
振り回されて疲れるけど、恵美だし。
なんて許してしまう俺は、本当の本当に重症だ。
「おまたせ♪」
「ん、いいよ。…そろそろ帰る?」
「そうだね……だいぶ暗くなっちゃったし」
「じゃ、送るよ」
「…ありがとう」
はにかむ恵美。
…マジで抱き締めたい。
そんな衝動をグッと堪えながら、恵美の家まで送る。
…その途中で。