ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
いや、分かるけどね?
言ってることはちゃあんと理解できるんだけど………
「よ、ようするに、王子様を演じてたってこと……?」
「そう言うこと」
口の端を持ち上げて、ニヤッと笑う石田潤。
いつもの"王子様スマイル"とは全然違うのに、彼がやると何でもかっこよく見えてしまう。
「ど、どうして……?」
「別に?こっちの方が楽だし?」
妖艶に笑う彼に、なんだか危ない感じがする。
危ない感じってよく分かんないけど、とにかく……逃げろって私の本能が言ってるの!!!!
こ、ここはひとまずスルッとすり抜けて逃げ…………
「逃がさねえよ」
胸の前で縮こまっていた手が、イケメン王子の手に捕まる。
あっさりと片手でまとめられ、頭の上で押さえつけられた。
「この俺から逃げれると思うなよ?」
は、は、破壊力ハンパないっす!!!!