ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
潤side
「…何してんの?」
屋上のドアの前。
一人でブツブツと独り言を言っている、不審者一名。
かなり低い身長。
触りたくなるさらさらの髪。
抱きしめたら折れそうな、華奢な体。
「姫?入んねえの?」
そう。
この不審者は、"残念な姫"こと原田千佳だ。
「は、入ります」
「じゃあ早くドア開けろよ」
「…分かってます」
姫は一度も俺を見ずにそう言って、屋上のドアを開ける。
さあっと風が吹き抜けて、姫の髪が舞う。
たった、3日ぶりなのに。
なぜか抱きしめたい衝動に駆られた。