ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
週明け。
「キャーーーー!!!」
いつもの登校時の黄色い声。
聞きなれた叫び声に、
「おはよう」
猫をかぶった、甘い声。
今までは、他の女子生徒と一緒に彼の姿を目に焼き付けてたんだけど。
「…千佳?」
「ちょ、直視出来ない……」
両手で顔を覆う。
一昨日の恵美との話が頭の中をグルグルとまわって消えない。
わ、わたし、ほんとにイケメン王子・石田潤のことが…………