ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
私がいることも知らず、"美生"っていう人と話をする石田潤。
「だから悪いって言ってんじゃん。…分かってるって。この埋め合わせは明日にでも……はいはい。分かってるよ。」
…埋め合わせ、って、約束してたのかな……?
「あ?…またその話かよ。話なら明日でもいいだろ別に。……だから、好きだっつってんだろ!」
……ズキっ。
電話の相手って………
「もう昼休み終わるから切るぞ?じゃーな」
電話の終わりを告げる言葉と同時に、昼休みが終わるチャイムが鳴る。
…良かった。
まだ授業始まってなかったんだ。
良かった良かった。
……嬉しい、はずなのに。
どうして、こんなにも、胸が痛いんだろう。
痛くて、苦しくて。
どうしようもなく、泣きたくなった。