ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
もう一度ベッドに潜り込んで、毛布を頭の上まで引っ張る。
もういいや。
胸がズキズキするから、もう1時間寝よう。
そう思った矢先。
『シャッ』
「!?」
「…千佳?大丈夫か?」
カーテンを開く音に思わず起き上がると、そこには石田潤が立っていた。
「目覚めた?ってか、起こしちまった?」
「…いえ、大丈夫です」
「悪いな、ぶつかったりして」
「…いえ、大丈夫です」
「頭、まだ痛いだろ?」
「…いえ、大丈夫です」
ブラックモードの喋り方なのに、いつもより優しい。
優しくされて、嬉しいはずなのに。
顔を見て、すごくドキドキするはずなのに。