ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話








もう一度ベッドに潜り込んで、毛布を頭の上まで引っ張る。
もういいや。
胸がズキズキするから、もう1時間寝よう。
そう思った矢先。





『シャッ』


「!?」


「…千佳?大丈夫か?」





カーテンを開く音に思わず起き上がると、そこには石田潤が立っていた。





「目覚めた?ってか、起こしちまった?」


「…いえ、大丈夫です」


「悪いな、ぶつかったりして」


「…いえ、大丈夫です」


「頭、まだ痛いだろ?」


「…いえ、大丈夫です」





ブラックモードの喋り方なのに、いつもより優しい。
優しくされて、嬉しいはずなのに。
顔を見て、すごくドキドキするはずなのに。








< 212 / 221 >

この作品をシェア

pagetop