ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
私って、何気に千佳のこと好きなんだよね。
普段は千佳の口調がうつって、冷たくなっちゃうけど。
「じゃあね、雅紀くん。」
私はそう言って歩き出し──…グイっ。
「え?」
「行かないでよ」
突然右腕を掴まれ振り向くと、さっきとは違う表情の雅紀くん。
子供っぽくて、チャラい雰囲気の彼とは打って変わって、今は男の子って感じがする。
「もうちょっと恵美ちゃんと話してたいんだけど」
目線をそらしながら言う彼に、胸の鼓動が加速する。
ドキドキして、顔が熱い。
誰にでもこういう事言うんだって分かってるのに、とまらない。
やだ。
本気で好きになっちゃう…………!