ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
最近ものすごく可愛くなって、告白が絶えないらしい恵美。
雅紀くん、ヤキモチやくだろうなあ…
「雅紀はヤキモチ焼かないよ~」
「…あ、そう。」
すごく心が広いんだね、雅紀くん。
尊敬しちゃうぜ!!
その調子で恵美を守ってくれよ!!!
心の中で雅紀くんにお願いしていると。
「「「「キャーーーーーー♡♡♡♡」」」」
「……きた」
毎朝聞こえる近所迷惑な黄色い声。
だけど、そんな声を心待ちにしていた私。
振り向くと、何十人もの女子が塊となっている。
その女子たちの隙間からわずかに見える、中心で爽やかに立っているイケメン王子・石田潤。
「あーうるさ」
しかめっ面をしながらふさぐ私の親友。
……たしかにね、うるさい。
めちゃくちゃうるさいよ?