ツンツン姫がイケメン王子に恋をした話
と、思ったのに。
「っ…/////」
…え!?!?!?
目の前にいる姫が、無表情の姫が、"残念な姫"が………
顔を赤くしてる!?
「…ひ、め?」
俺の目の前にいるのは、本当にあの、"残念な姫"なのだろうか。
さっきの叫び声と言い、今の赤面と言い……
俺の知ってる"残念な姫"じゃない。
「ち、近づかないでくださいっ!!」
そう言って肩を押され、少しよろめく。
と言っても、全然力入ってなかったから、こけるほどではなかった。
「さ、さよなら!!!!」
姫はそう言って、屋上を飛び出していった。
あ、なんかこれ、さっきもあったな。
デジャブ、ってやつ?
「ってか、なんだよあれ……」
無防備に笑ったり、突然顔を赤くしたり。
すっげぇ調子狂う。
あいつを落とすつもりなのに、俺が落ちかけてどうすんだよ。