華ヒメゴト
アイビーの章
1.
ぼやけた意識の中で、微かな明るい光をみた。久しぶりに朝を感じた気がする。儚くてどこかあたたかい、朝。
ーそう、昔の彼みたいに。
その彼を、私が変えてしまった。いや、もともと彼はそうだったのかもしれない。もう、どっちでもいいや。
私は愛されなかった訳じゃない。むしろ、愛してもらった。
「まだ、逝っちゃダメ」
そう言って、背後から彼は私を優しく抱きしめてくる。その体温が暖かい。私は恐る恐る彼の腕に触れた。ジャラジャラと手首の金属が重い。
ーあぁ、彼だ。
目が見えないぶん、彼の存在を良くわかるようになった。
「ねぇ、どんな夢を見たの?僕に教えてよ?向こうの世界はどんな世界?」
彼は耳元でそう囁く。これが、悪魔の囁き。
「…何も、、、見れなかった。」
私は、そう答える。今まで何を答えても貴方の欲する答えを言えなかったから。
「そうか…」
彼はそう呟いて暫く無言で考えているようだ。
また、いつものアレ。
ーそう、昔の彼みたいに。
その彼を、私が変えてしまった。いや、もともと彼はそうだったのかもしれない。もう、どっちでもいいや。
私は愛されなかった訳じゃない。むしろ、愛してもらった。
「まだ、逝っちゃダメ」
そう言って、背後から彼は私を優しく抱きしめてくる。その体温が暖かい。私は恐る恐る彼の腕に触れた。ジャラジャラと手首の金属が重い。
ーあぁ、彼だ。
目が見えないぶん、彼の存在を良くわかるようになった。
「ねぇ、どんな夢を見たの?僕に教えてよ?向こうの世界はどんな世界?」
彼は耳元でそう囁く。これが、悪魔の囁き。
「…何も、、、見れなかった。」
私は、そう答える。今まで何を答えても貴方の欲する答えを言えなかったから。
「そうか…」
彼はそう呟いて暫く無言で考えているようだ。
また、いつものアレ。