無垢なヴァンパイア
「よろしくな、リルア・ブルーローズ」
少女、リルア・ブルーローズは笑みで応えた。
「「主!!」」
双子は感極まったようにリルアに抱きついた。
嬉しそうに満面の笑みでリルアにくっついている。
「マリ、リマ…。留守番お疲れさま。迷惑かけてごめんね」
「迷惑だなんて!」
「主のために尽くすのが我らの喜び!」
「ありがとう…」
双子は満面の笑みを返した。
「あ、あなたの名前聞いてないわ。教えて?」
「カイ」
「カイ…」
「そろそろここを出るぞ。ここだといつまた襲われるかわからない」
「…そうね」
落ち着いたときにここへ戻ってくればいいのだから…
「ここを出てどこへ行くの?」
「俺の家だ。そこでこれからは暮らしてもらう」
「ふーん…わかった」
カイの家…どんな家なのかしら?
「行くぞ」
「はーい」
リルアは扉に向かって歩き出したカイを追いかけた。
双子もその後をついていった。