無垢なヴァンパイア
Ⅲ
昔語り2
およそ300年間に渡る戦争の幕は一人のヴァンパイアによって治められた。
しかし、種族の違いがキッカケで戦争が起こったと痛感したそれぞれの種族は互いに相容れないと認識してしまった。
二度とあんな悲劇は起こさない。
しかし、いざという時があるかもしれない。
そんな思いから、人間はハンター会、ヴァンパイアは護柘榴院という自分たちの眷族を守る組織を作った。
時が経つにつれ、人々はヴァンパイアの存在を忘れていき、人でさえハンター会は知る人ぞ知る存在になった。
しかしそれは逆にハンター会が隠密に働き平和を保ってきた証。
そこに属するものはヴァンパイアを殺すことができる武器を使い、人間とヴァンパイアの輪を乱すものを排除してきた。
一方護柘榴院は力を強めていき、ヴァンパイア界の中心となった。
ヴァンパイアの中でも特に力のある純血種がトップを占めた。