無垢なヴァンパイア
目覚めてから
「んー…」
カーテンから差し込む光にリルアは目覚めた。
サナが開けてくれたのだろう。
リルアがあんまり遅い時間に起きないように。
ヴァンパイアだから日に弱いなんてそんなの迷信だ。
そろそろここへきて一週間か…。
初めてカイの家を見たときは驚いた。
豪邸だったから。
全体として白にまとめられていて、とても品が良い屋敷。
庭も噴水が所々にあり、花もよく手入れされていて素晴らしかった。
カイは私にメイドのサナを付けてくれた。
歳は二十歳を少し過ぎたくらいだろうか。
落ち着いた雰囲気を持っている、綺麗な人。
髪の毛を低い位置で団子にまとめている。
人間なのに私に怯えている様子はなかった。