無垢なヴァンパイア


またもや愕然とした…


あの人は私を恨んでいなかった…?


「貴方は、あの人の何なの…?」


「申し遅れました、私はリオン•ハート…レオン•ハートの孫です」


どういうことなの?


もう頭がパンクしそうだわ。


「リルア!」


小声だが鋭い声が私を現実に引き戻した。


目の前にはいつの間に戻ってきたのかカイがいた。


「大丈夫か?」


そう言いながらカイは微笑みを浮かべながらもリオンに鋭い目を向ける。


「カイ、彼は悪くないの…ちょっと彼の話に驚いてしまっただけなの…」


カイは少し怪訝そうな顔をした。


するとリオンが


「では私はここで失礼します」


と言い、近づいてきた。


そして


「私は貴方の味方です。…姫、また会いましょう」


と言って私の手の甲に恭しくキスをすると離れて行った。








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