無垢なヴァンパイア
「今そいつらはどこにいるんだ?」
カイが質問するやすぐに、ダンカンは不機嫌になった。
「お前に答える義理はない」
「ダンカン?良い子だから教えて?」
再びリルアが聞くとすぐにまた恍惚とした表情になり焦って話し始めた。
「はい!リルア様!しかし、私が知っているのは商売をしていた屋敷だけです」
年甲斐もなくしょんぼりとした様子でダンカンは言った。
「それでもいいわ。どこなの?教えて?」
リルアがそう言うと途端にまた嬉しそうな表情に戻ったダンカン。
「リルア様の為なら!彼らは…っ」
ゴポッ
突然ダンカンは血を吐き、地面に倒れた。
慌ててリルアが生死を確認すると、既に絶命していた。
「…うかつだったわ。アンバー家の情報がそんな簡単に漏れるはずがないのよ。下っ端なら余計に口止めするはず…」
思わずため息をつく。
「…残念だが、情報は掴めた。ヴァンパイアと繋がっている証拠は取れたのだから堂々とこの屋敷を調べることができる」