王子様の危険な恋愛領域
ホッと安心したかのような、優しい笑みを浮かべた光琉。


不意打ちの笑顔に、なぜか…胸がドキッと反応してしまった。


ま、まただ…。
この前と同じような感覚。


今のは、一体…なんなの?


光琉が急に笑顔を見せたりするから、驚いただけなのかな…。


でも、ちょっと違う気がする…。


うーん、よく分からないよ。


戸惑っていると、何やら周りが騒がしくなってきたのに気付く。
 

光琉から視線を外して周囲を見回せば、たくさんの女の子たちが、私たちを見ていた。


「王子が芹澤さんに押し倒されてるわっ!」


「芹澤さん、大胆にも程があるんじゃない?王子の彼女だからって調子に乗り過ぎ。」


「っていうか、王子が笑ってるところ…初めて見ちゃった!感激なんですけど!!」


「王子の笑顔、かなりヤバいっ!カッコよすぎでしょ!」


女の子たちの声が立て続けに耳に届く。


いつの間に、集まってきたんだろう…この女の子たち。


しかも、私が押し倒したなんて…有り得ない勘違いまでしてるし…。


そんな訳ないでしょ…と心の中で突っ込んだ。




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