王子様の危険な恋愛領域
あっ……!!
そう言えば、私…光琉の上に乗っかったままだった…!
いつまでも、こんな態勢じゃ光琉がキツいよね…。
「光琉、ごめんね…。今、退くから。」
慌てて上半身をスッと起こして光琉から離れる。
そのまま立ち上がろうとした時、右足首の辺りに鋭い痛みが走り、その場にペタンと座り込んでしまった。
「紗姫、どうした…?」
「な、なんか…足をくじいちゃったみたい…。」
きっと、変な落ち方しちゃったんだろうな…。
光琉が受け止めてくれなかったら、この程度じゃ済まなかったかも…。
右足首をさすりながら、ハハハ…と苦笑いを浮かべていると、急にフワッと浮かんだ私の体。
気付けば、私は光琉に抱きかかえられていた。