王子様の危険な恋愛領域
まただよ、この感覚。


私、どうしちゃったんだろう…?


まさか、何か変な病気に掛かっちゃったのかな……。


よく分からない症状に、首を少し傾げていると、光琉は私の体をゆっくり離す。


そして、私に背を向けてスッとしゃがんだ。


「えっ、光琉…どうしたの?」


もしかして、今…私を受け止めてくれた時に足を痛めたとか…!?


ど、どうしよう…。


一人でオロオロしていると、光琉が私の方に振り向いた。


「紗姫、ボーッとしてないで早く乗れよ。」


「…へ?」


「家まで、おぶってくから。」


「えぇっ!?」


予想もしてなかった言葉に、目を大きく見開いてしまった。


私を、おんぶするために…しゃがんだのか…。


っていうか、こんな人通りがあるところで…おんぶなんて恥ずかしい…。


「あ、あの…そこまでしなくても大丈夫だよ。家まで、あと少しなんだし。」


「まだ結構…距離あるじゃねぇか。無理して、余計に捻挫が酷くなったらどうすんだよ。」


「で、でも…」


おんぶは、ちょっと…。


固まっていると、光琉は立ち上がって私の顔を真っ直ぐ見つめた。





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