王子様の危険な恋愛領域
「紗姫、顔…赤くなってる。」


「えっ!?」


こちらに振り向きながら、笑みを浮かべている光琉と目が合う。


たちまち、火照ったかのように顔が熱くなってしまった。


「み、見ないでよ…。」


「別に見たっていいだろ。紗姫は、俺の女なんだから。」


「フリをしてるだけでしょ?本当の彼女じゃないよ…。」


ポツリと呟くと、光琉は足を止めた。


「俺にとって、紗姫は…本当の彼女だけどな。」


「は、はい…?光琉と私は、付き合ってるフリっていう契約だよね?私は…ただの女除けなんでしょ…?」


「それは、紗姫を繋ぎとめるための理由。ああでも言わないと、お前…絶対に俺の傍には居てくれないと思ったから。」


「ま、まあ…それもそうよね。光琉に、あんな契約を持ちかけられなければ、私…女除けなんて、やらないもん。」


キッパリと断言すると、光琉は吹き出すように笑った。
 




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