王子様の危険な恋愛領域
「ったく、マジで鈍いな…お前。」
「またそれ!?私、鈍くなんかないって言ってるじゃないっ!」
「それだけ鈍感だと、ますます燃える。絶対に俺のものにしてやるから、覚悟しろよ?」
何言ってるのか、サッパリなんですけど…。
頭の中に疑問符を漂わせながら、首を傾げた。
「まあ、いいや。それはそうと、紗姫…足以外に痛むところとかねぇか?痛いのに我慢してるなんてこと…ねぇよな?」
「う、うん…。他に痛いところはないよ。光琉が、受け止めてくれたから……。」
痛むのは右足首だけ。
それは本当だ。
「そっか。それなら良いけど、俺の前で無理すんなよ?絶対に。」
「うん…。」
コクンと頷くと、光琉は私に優しい笑みを見せてから、再び家に向かって足を進める。
そんな彼の姿をジッと見つめた。
よく分からないこと言ったかと思えば、突然…優しく気遣うようなこと言ったりして…。
一体、なんなのよ…。
おかげで、心の波長が変に乱れてるじゃない…。