王子様の危険な恋愛領域
そんな心の違和感を感じながら、光琉におぶられた状態で家までやってきた私。
玄関のドアの前で、光琉は私をゆっくりとおろしてくれた。
「ありがとう…。今日は、迷惑かけちゃって…ごめんね。」
「迷惑とか一切思ってねぇから、謝んなよ。当然のこと…したまでなんだから。」
「う、うん…。」
そんな風に思ってくれてたの…?
思いも寄らない光琉の言葉に瞬きを繰り返していると、光琉は何か思い出したかのような表情を浮かべた。
「そう言えば、明後日…球技大会だったよな。」
「あっ、そうだね…。」
一年に一度…開催される学校行事、全学年対抗の球技大会。
それが、明後日に控えているのだ。
「紗姫は捻挫してるんだから、球技大会には絶対に出るなよ?軽い捻挫とは言え、無理は禁物。酷くなったら、大変だからさ。」
「うん…。」
心配する光琉に、コクンと頷いた。
球技大会はテニスに出る予定だったけど、やむを得ないよね…。
ペアを組むことになっていた亜弓ちゃんには、明日…謝らなくちゃ。