王子様の危険な恋愛領域
「よし、出場できない分…クラスのみんなの応援を頑張ろっと!」
気合いを入れていると、光琉は不機嫌そうな顔で私を見た。
「クラスのヤツなんて応援しなくていい。紗姫は俺の試合だけ見てろ。」
「は、はい?」
「俺はサッカーに出るから、明後日はグラウンドで、ずっと観戦していろよ。」
「えっ、だけど…光琉と私はクラスも違うわけだし、普通は自分のクラスの応援をすると思うんだけど……。」
真っ直ぐな視線を向ける光琉に、すかさず言葉を返す。
クラス対抗なんだから、隣のクラスの光琉を応援するのも変な気がするんだよね…。
「んなもん関係ねぇ。紗姫は俺の女だ。クラスの応援より、俺の試合を見に来い。」
「で、でも…」
「拒否禁止。」
一言、キッパリと言い放った光琉。
な、なんて強引なヤツなの…。
心の中で不満を零していた時だった。
「俺は、お前の声援が欲しいんだよ…。他の誰でもない、紗姫の声援が……。」