王子様の危険な恋愛領域
「えっ……?」


今、私の声援が欲しい…って言った?


パチパチと瞬きを繰り返しながら光琉を見つめる。


すると、光琉は照れくさそうにクシャクシャと頭を掻きながら、私から視線を逸らした。


「と、とにかく…明後日の球技大会はグラウンドに来い!絶対、だからな?」


「う、うん…。」


拒否禁止、と言われた以上…肯定するしかなくて、渋々ながらも頷く。


光琉は私の言葉を聞いた後、足早に帰って行ってしまった。


はぁ…。


球技大会は、光琉の応援をしなきゃいけないのか…。


光琉を応援してくれる女の子なんて、数えきれないほどたくさんいるじゃない…。


私の声なんて、他の女の子たちの声でかき消されちゃうと思うんだけど…。


不満を抱きながら家の中に入った私は、自分の部屋へ。


ベッドに制服のまま、ゴロンと寝転がった。


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