王子様の危険な恋愛領域
なんか、私…光琉のペースに流されてばかりだな…。
球技大会の応援命令にも従っちゃったし、おんぶも…お姫様抱っことの二択にされて、一方を選択しちゃったんだもん…。
完全に光琉の思うがまま…って、感じだよね…。
いつになったら、彼女のフリから解放される日が来るのかなぁ…。
部屋の窓の方に視線を向ける。
淡いオレンジ色に染まった空をボンヤリと眺めていた私の脳裏に、さっき…おんぶをしてもらった時の光景が浮かんだ。
おんぶなんて、小さい頃にお父さんやお母さんにしてもらって以来だったかも…。
光琉の背中、大きくてガッシリとしてたな…。
それに、温かかった。
優しい温もりで、なんだか居心地が良くて…。
「…………。」
って、何考えてんのよ…私!
光琉のことなんて、どうでもいいはずなのに…なんで不意に思い出したりしちゃったんだろう…。
私は、枕にボフッと顔を埋めた。
なんか、変だよ…。
どうかしてる、私。