王子様の危険な恋愛領域
「もしかして、無愛想王子がどうのこうのじゃなくて、紗姫自身がアイツの応援していたい…とか?」


「えっ…?」


瞬きを繰り返す私に、淳也は言葉を続ける。


「強引に彼女にさせられて、アイツと一緒に居る時間が増えていくうちに、気持ちが変わってきたんじゃねぇのか?」


「それって、どういう……」


淳也の言葉の意味がよく分からず、戸惑っていると、淳也は何とも言えない複雑そうな表情を浮かべた。


「つまり、紗姫は…あの無愛想王子のことを…」


淳也がそこまで言った時…。







「俺が、どうしたって?」


突如、後ろから飛んできた聞き覚えのある声。


この声は、光琉…。


さっきまで、グラウンドで男の子たちと話をしてたのに、いつの間に…!?


直ぐに振り向こうとした私だったけど、それよりも先に、光琉に後ろからギュッと抱きしめられてしまった。








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