王子様の危険な恋愛領域

3年生のクラス、光琉のクラスのチームが交互にシュートをしていく。


次々とゴールを決める中、3年生のチームの最後の一人がシュートを外してしまい、残るのは…光琉のみ。


次のシュートを決めれば、光琉のクラスが優勝だ。


女の子たちの声援が一際高まる中、ボールを準備する光琉。


いくら、みんなの前でクールに振る舞っているとはいえど、内心…かなりのプレッシャーだろうな…。


ゴールポストを見据える光琉を見つめた。


今日は、ずっと光琉の試合を見てきたことだし、どうせなら優勝してもらいたいよね…。


そう思った私は…


「頑張れ、光琉…!」


たくさんの女の子たちの声援に混じって、大きな声を出していた。


ひとつ、深呼吸をした光琉。


応援する女の子たちも祈るような表情でグラウンドを見ている。


なんか、私まで緊張しちゃう…。


ソワソワしながら見守っていた次の瞬間、光琉は勢いよくボールを蹴る。


そのボールは、鮮やかにゴールポストの中へと吸い込まれた。

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