王子様の危険な恋愛領域

途端に沸き起こる大きな歓声。


ベンチに座って試合を観戦していた私も、思わず立ち上がってしまった。


す、すごいっ…!!
光琉たちのサッカーチーム、優勝しちゃった…。


光琉の周りに、チームの仲間が嬉しそうな表情で集まってくる。


優勝の喜びをクールに分かち合っている光琉の姿に、女の子たちから拍手が絶え間なく送られていた。


“王子”コールも鳴り止まないし、ものすごい盛り上がりっぷり…。


これだけの影響力があるなんて…。


こうして見てると、私とは…まるで違う世界を生きている人のように見えちゃうな…。


グラウンドの方を見ながら、そんなことをボンヤリと考えていると、光琉が私のところに駆け寄ってきた。


「紗姫、試合…ちゃんと見てたか?」


真剣な表情で見つめられた私は、コクンと頷く。


「あ、当たり前でしょ!あの、優勝…おめでとう。」


ぎこちない声で伝えると、光琉は口元を緩めた。


「おう…。紗姫のおかげで優勝出来た。」


「えっ…?」


私の…おかげ?

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