王子様の危険な恋愛領域
私、そんな風に言われるようなこと…何もしてないと思うんだけど…。
頭の中で疑問符を浮かべながら首を傾げると、光琉はフッと目を細めて笑った。
「ずっと、ここに居てくれただろ?紗姫が見てたから、すげぇ気合い入ったんだよ。それに…さっきのPK戦、俺に“頑張れ”って声援送ってくれたじゃん。」
「えっ!?私の声…聞こえたの?」
瞬きを繰り返しながら驚く。
あの時は、他のたくさんの女の子たちも光琉に声援を送っていて、賑やかだった。
そんな中で発した私の声なんて、届いてないだろう…って思ってたのに…。
「もちろん、聞こえた。俺が欲しいのは…紗姫の声援だけだからな。不思議だけど、お前の声だけは…ハッキリと耳に入ってきた。」
光琉は自分の耳を指差して笑みを浮かべた。
「俺、あの時は…正直言って緊張してたけど、紗姫の声で少しリラックス出来た。だから、シュートも上手く決められたんだぜ?」
「そ、そうだったんだ…。」
そこまで言われると、照れくさいな…。
少し顔が赤くなってるような気がして、顔を俯けようとした…その時、私の頬に光琉の手が触れた。