王子様の危険な恋愛領域
キスしたかった…って、なんで?


その理由が知りたかったのに…。


疑問を感じながら、パチパチと瞬きを繰り返していると、光琉は優しく目を細めてから、私の耳元に唇を寄せた。


「紗姫、来週の日曜日…予定空けておけ。」


「えっ…?」


「今日、サッカーの応援してもらったお礼するから、俺に付き合え。」


「えぇっ!?」


ゆっくりと顔を離した光琉に、私は大きな声を出してしまった。


光琉がお礼…!?
私、ただサッカーの試合を観戦してただけなのに…。


意外な言葉に目を見開いていると、光琉はポンポンと私の頭を撫でた。


「そういうわけで、当日は…昼前に紗姫の家まで迎えに行くから。」


「えっ、ちょっと待ってよ!急に言われても…私にだって予定が……」


「何だよ、予定って。」


光琉の声が途端に低くなる。


「テレビ見たり、お部屋の掃除したり、あと…お菓子作りとか…したいし。」


「要するに、特に重要な予定があるわけじゃねぇんだろ。だったら、付き合え。拒否しても無駄だからな?」


ニヤリと不敵に笑う光琉に、これ以上…反論する気になれず、渋々頷いた。



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