王子様の危険な恋愛領域
なんなのよ…。


応援のお礼って言いながら、“付き合え”とか言って命令口調だし…


強引に予定まで決めたりして…。


まさか、お礼っていうのは建前で、本当は…光琉自身が何か付き合ってもらいたい用事があるんじゃない?


一人で出掛けると女の子たちが寄って来て鬱陶しいから、女除けである私を一緒に連れて行こう…みたいな。


その線が濃厚かも…なんて、考えを巡らせていると、光琉は私に顔を近付けてきて、そのままジッと見つめた。


「言っとくけど、俺の用事に付き合わせるとか…そういうつもりは一切ねぇからな。純粋に紗姫にお礼したいだけ。」


「えっ…」


な、なんで私が考えてたこと読み取っちゃうなのよ…。


鋭い言葉に、ポカンと口を開けて驚いた。


「あ、でも…それだけじゃないな。もっと紗姫と一緒にいる時間を増やしたい。学校で会うだけじゃ足りねぇから。」


先ほどキスされた場所に、また触れた光琉の唇。


ビックリして肩が跳ねる私を見ながら、光琉は私の手をしっかりと握った。

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