王子様の危険な恋愛領域
「と、とにかく!デートじゃないからね!あくまで、光琉がお礼をしたい…って言うから、私はそれに付き合うだけで……」


「はいはい!でも、周りから見れば…デートにしか見えないと思うよ?」


そんなこと無いと思うけど…。


うーん…と首を傾げていると、梨帆が私の全身をジーッと見つめた。


「それより、お姉ちゃん…。もしかして、その服装で出掛けるの?」


「うん…。」


瞬きを繰り返す梨帆に、コクンと頷く。


白のキャミソールに淡いグリーンのカーディガン、そしてジーンズ。


特に変な格好じゃないと思うけどな…。


自分の服装を見直す私の肩を、梨帆はガシッと掴んだ。


「お姉ちゃん、ダメよ!!せっかくの王子様とのデートなんだから、もっと気合い入れなくちゃ…!」


「だ、だから…デートじゃないってば!」


「ちょっと来て!私がコーディネートするから!」


ニンマリと笑顔を浮かべながら、私の手を引っ張る梨帆。


梨帆の部屋に連れて来られた私は、半ば無理やり、別の服装へと変えられてしまった。



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