王子様の危険な恋愛領域

スイートチョコレート

「ちょ、ちょっと!光琉!!」


「何だよ。」


「これって、本当にデートなの?」


「そうだよ。」


お互い何も話さないまま、駅前の大通りまでやってきた私たち。


まだ、今日の外出がデートだと信じられない私は、光琉に思いきって訊ねていた。


「本当の本当に…?」


「ああ。」


やっぱり、デートなのか…。


デートなんて未知の世界だから、どうしたらいいのか全く分からないんですけど…。


ソワソワしながら、視線を泳がせた。


「どうしたんたよ、紗姫。やけに落ち着きがねぇな。」


「当たり前でしょ。でっ、デートなんて生まれて初めてだもん。経験したことないから、何をすればいいのかとか、よく分からないし…。」


独り言のように呟く私に、光琉はフッと吹き出すように笑った。


「紗姫ってさ、可愛いこと言うんだな。」






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