王子様の危険な恋愛領域
「ちょっと、光琉っ!?」


こんな街中で、いきなり何してるのよ…!


慌てて離れようとするけれど、光琉の力には適わない。


モゾモゾと動く私を引き寄せたまま、優貴君を睨んだ。


「優貴、そんなに紗姫のこと…見るんじゃねぇよ。それと、親しげに話しかけるの止めろ。」


低い声が響く。


優貴君、普通に話し掛けてきてくれただけなのに、光琉はなんで怒ってるんだろう…?


意味が分からない。


疑問を抱く私の傍で、優貴君はニヤリと笑みを浮かべた。


「へぇ…。俺にまで嫉妬するとは…。光琉、相当…のめり込んでるな、紗姫ちゃんに。」


「うるせぇな。優貴には関係ねぇだろ。」


「ふーん。それで、紗姫ちゃんとは…どうなの?多少、手応えとかあるわけ?」


「さあな…。コイツ、かなり手強いから。だけど、諦めるつもりは全くねぇよ。」


淡々と会話を進める光琉と優貴君。


手応えとか、手強いとか、一体…なんのこと?


疑問を抱きながら、二人をチラチラと交互に見た。


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