王子様の危険な恋愛領域
「周りの視線を気にするぐらいなら、俺とのデートに集中しろよ。」


口元を緩めて笑みを見せる光琉に、ドクンと心臓が跳ねる。


瞬く間に顔が熱を帯びてしまった。


「な、何言ってるのよ…!これだけ視線が注がれてたら、気になっちゃうに決まってるじゃない…。」


「俺は別に気にならないけど?紗姫のことしか考えてねぇし。」


フッと笑った光琉は近付けていた顔を離して、店員さんが案内してくれた席に私を座らせる。


向かい側に座った光琉は、なんだか満足げな表情をしていた。


うぅ…。
人前で何してるのよ…。


光琉は、恥ずかしさとか感じてないのかな…。


私なんて、顔…絶対に真っ赤だよ。


こんな顔をジロジロと見られたくなくて、店員さんが置いていったメニューをテーブルに立てて開く。


これなら、赤くなった顔を光琉に見られずに済む…と思ったんだけど…


「あっ……」


突然…光琉の手が伸びてきて、私の持っていたメニューをヒョイッと取り上げた。


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