王子様の危険な恋愛領域
「ちょ、ちょっと!何するのよ…!」


「それは、こっちのセリフ。デートしてんのに、顔…隠すんじゃねぇよ。」


うっ…。


顔を隠そうとしてたこと、お見通しだったのか…。


「だって、今の私の顔、絶対に変だから…。」


呟くように口にすると、光琉は身を乗り出すようにして私を見た。


「俺には、可愛く見えるけど?」


浮かべた笑みは、優しくて…。


私の心が、また跳ね上がった。


このドキドキ、どんどんエスカレートしていってる…。


なんで、光琉と一緒にいる時だけ、こんな感覚に襲われるんだろう…。


何度となく考えてる疑問だけど、答えは未だに不明なままだ。


「……………。」


と、とりあえず…少し落ち着こう。


このままだと、完全に光琉のペースに流されちゃいそうだし…。


大きく深呼吸をした時、光琉の手が私の頬に触れた。


「もしかして緊張してる?」


「…………っ!?」


ニヤリと笑う光琉に、私は慌てて首を横に振った。

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