王子様の危険な恋愛領域
「は、離してよ…!」


「無理。」


さっき、優貴君に会った時も…こんな風に腰に手を回されたんだよね…。


また、同じことされると思わなかったよ…。


光琉から離れようと、モゾモゾと体を動かした。


「俺が来なかったら、お前…アイツらにナンパされてたんだからな?」


「えっ?」


アイツら……?


疑問符を漂わせていると、光琉が私から視線を外す。


鋭い目を向けた先には、スイーツを選んでいる二人の男の子がいた。


同い年…ぐらいかな。


でも、二人ともスイーツを選んでお皿に取っているだけだし、ナンパする雰囲気なんてない。


「あの人たち、純粋にスイーツブッフェを楽しんでるようにしか見えないけど…。」


「甘いな、紗姫は。今は…俺が来たから、そういう風に振る舞ってるんだよ。さっきまで、お前をニヤニヤしながら見てた。」


「ほ、本当…?」


「ああ。声掛けるタイミング伺ってるみたいだった。まあ、そうならないように未然に防げたから良かったけどさ。」


そ、そんなの…全然気付かなかった。


目の前の美味しそうなスイーツに夢中になってたから…。

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