王子様の危険な恋愛領域
せっかく、スイーツブッフェを楽しむことに神経が集中してたのに、また恥ずかしくなってきちゃったよ…。
他の人たち、見てるかな…。
キョロキョロと周りを見ると、光琉を見てる女の人たちがチラホラといるぐらいで、大体の人はスイーツブッフェを楽しんでいた。
よ、良かった…。
お店に入って来た時みたいに、店内の人たちみんなが、こっちを見ていたら…どうしようかと思った…。
少しホッとしていると、光琉の大きな手が私の頬に触れた。
「よそ見すんなよ。紗姫には、俺だけを見て欲しいんだけど。」
「!?」
「俺の女だろ、紗姫は。」
真っ直ぐな眼差しを向けられ、ドクンッ…と鼓動が激しく波打つ。
目を逸らすことが出来ず、固まってしまった。
付き合うフリしてるだけなのに、なんで…そんなに真剣な表情なの…?
私は、どうして…こんなに心臓の音がうるさくなるぐらい反応しちゃってるの?
考えても考えても、分からないよ…。
モヤモヤした気持ちを抱きながら、暫く光琉を見ていた。