王子様の危険な恋愛領域
「紗姫はスイーツ好きだから、スイーツの美味しい店がないか相談したんだ。そうしたら、優貴から今の店を勧められた。ちょうど、チョコレートスイーツフェアをやってる…って聞いたから、タイミングもいいと思ってさ。」


そう言えば、たくさんスイーツが並んでいたけど、殆どがチョコレートスイーツだった気がする…。


そっか…。


さっき、街中で優貴君と会った時に“例の店”って言ってたのは、あのカフェのことだったんだ…。


優貴君自身が、光琉にお店のこと教えていたから、あの時…私たちが行く場所の見当がついてたのね…。


なるほど…。


疑問だったことが解決して、スッキリした気持ちが胸の中に広がった。


「紗姫がどんな反応するか気になってたけど、喜んでくれて安心した。」


「えっ…」


「お前の可愛い笑顔も見れたし、俺…かなり満足してる。」


フワリと微笑んだ光琉。


優しさ溢れる表情に、胸が異様に高鳴る。


光琉を直視出来なくて視線を泳がせていた時、私の頬に冷たい水滴が落ちてきた。

< 186 / 295 >

この作品をシェア

pagetop