王子様の危険な恋愛領域
「それと、盗み聞きも迷惑。人の会話…コソコソ聞いて楽しいのかよ。」
「ち、違っ…私は…」
「そういう変な趣味、本当にムカつく。アンタ、盗み聞きされた人の気持ちとか、考えたことあんの…?」
「だ、だから…そういうつもりじゃ……」
「この状況で言い訳?見苦しいんじゃない?」
私の言葉を途中で遮って、皆辻君は話を勝手に進めていく。
こっちの話も聞いてよ…。
次第にイライラが増していく私。
唇を強く噛み締めた。
「もしかして、泣き落としでもするつもり?残念だけど、俺には通用しねぇから。」
「…………。」
「ったく、だから…女って面倒くせぇ。」
低い声で冷たく言い放った皆辻君に、私の怒りはピークへと達する。
そして、次の瞬間。
私は、皆辻君の頬をパシーンッと勢いよく、ひっぱたいていた。