王子様の危険な恋愛領域
「眠ってるのかと思ってたけど、もう起きてたんだな。」


「あっ、うん…。」


光琉のこと考えていて眠れなかった…なんて、恥ずかしくて言えないよね。


う~。


まさか、私の部屋に光琉が来るとは思ってなかったよ…。


ど、どうしよう…。


光琉のこと、まともに見れない…。


顔を俯けた私だったけれど、すぐに顎を掬われて上を向かせられる。


光琉の端正な顔が視界に映ったかと思うと、次の瞬間…唇をゆっくりと塞がれてしまった。


「……っ…」


温かな光琉の唇の感触に、鼓動が大きく跳ねる。


昨日よりも長いキスに息継ぎが上手く出来なくて…。


光琉が唇を離した途端、私は思いっきり息を吸い込んだ。


「紗姫、朝から可愛い顔…見せてくれるよな。」


満足げな表情の光琉は、息一つ乱れていない。


余裕、有りすぎだよ…。


呼吸を整えていると、光琉がニヤリと笑みを浮かべた。


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